Rainy-Rainy
「よいしょ、っと」


足元に散らばるCDや服を踏まないように気を付けながら、寝かされていたベッドから立ち上がる。

それから窓に近付いて、灰皿から吸い殻を一つ、親指と人差し指で挟んで摘み上げた。

差し込む金色の朝陽に目を細めながら、フィルターの銘柄を確認する。


ラッキーストライク。

確か、恭輔さんの吸ってた煙草だ。

千鶴が、まずいと愚痴を垂れながらも、ずっと吸っている煙草でもある。


「じゃあ、やっぱりここは恭輔さんの…え?」


ふいに、違和感気付いた。

右目がスースーする。

いつもあるはずの、アレが無い。


「眼帯が…」


右手で、ソコを触ってみても、冷たい肌に触れる感覚しかしない。

反射的に振り返って、片方しか見えない目でベッドの回りを探す。

寝ている間に外れたのかもしれない。

しかし、ベッドの回りには色んな物が散らかっているが、肝心の眼帯らしい物は落ちていない。


「ど、どうしよう、あれがなきゃ…」


どうしても、落ち着かない。

全裸で拳銃の前に突き出されたくらいに、不安で、不安で堪らなくなる。

右手で目を覆ったまま、いい知れない不安に、私は顔を歪ませた。


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