Rainy-Rainy
と、そこで。
「あぁ」
ようやく、ここの住人を見つけた。
「やっぱり……恭輔さん」
寝苦しいのか、眉間に皺を作った恭輔さんが、腕を組んだまま、仰向けの姿勢でソファーで眠っていた。
恭輔さんのベッドを取っちゃったから、だよね?
やれやれ、迷惑掛けちゃったな。
倒れたのを助けてもらって、その上ベッドまで貸してもらって、私ってば、何してるんだろ…。
「はぁ……こんなことなら、千鶴の言う事を聞けばよかったよ」
ごめんね、千鶴。
迷惑がったりして。
心の中で千鶴と、それからとばっちりを受けた桂くんに平謝りする。
と、その時、
「んん…」
急に恭輔さんがモゾリと身をよじったかと思うと、その瞼がゆっくりと開かれた。
どうやら、ソファーのせいで眠りが浅かったらしい。
私の要らない呟きのせいで、起こしてしまったようだ。
「あ、恭輔さ…」
「あ、れ、久我せんせ…?」
え…?
大慌てで取り繕った笑みが固まり、おはようございます、と続けようとした言葉が止まる。
すると、恭輔さんのぼんやりと、私の顔の回りを漂っていた焦点が、急に定まって…
「……っ!?」
バッと勢いよく跳び起きたかと思うと、一度大きく顔を歪め、そうして手の平を額に当てて、がっくりとうなだれてしまった。
「あ、あの…」
「悪ィ…っ、寝ぼけてた」