Rainy-Rainy
髪をガシガシと掻きながら、恭輔さんはソファーから立ち上がった。


「あ……」


私の顔を見た恭輔さんの動きが、呆けたように止まる。

が、すぐにそれを払うように頭を振って、ごまかすように笑った。


「っ………その、大丈夫なのか?」

「へ?」

「体調だよ、体調。いきなり倒れたんだよ、お前。びっくりさせられたぞ」


恭輔さんはキッチンに向かいながら、そう言った。

少しだけ、声が強張っているのは何故だろうか。

冷蔵庫から水を取り出して、背の高いグラス二つに注ぐ。


「はい、もうすっかり…。ご迷惑をお掛けしました」

「いや、気にするな」


恭輔さんはそれを持って戻って来て、飲めよ、と半ば押し付けて来た。

御礼を言って受け取り、一口含む。

喉を通る冷たさが、心地良い。


……って、そうだ。

それどころじゃない。


「あ、あの恭輔さん、私の服と……その眼帯は?」

「ん?あぁ、多分乾燥機の中だ。汚れちまったから、洗ったんだよ。あぁ!勘違いすんな。ちゃんと女友達に任せたから」

「乾燥機!乾燥機はどこです!?」


半ば掴み掛かる勢いで、恭輔さんに詰め寄る。


「そ……そっちの奥。脱衣所の隣だが」


恭輔さんは困ってるみたいだったけど、私はそれを無視して脱衣所へと走った。


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