NOEL(ノエル)

「え?
なぜって・・・」

アルベルトはミルクの質問の裏にあるものを想像し、言葉に詰まった。

「彼らは、私の父たちはかつて同じこの地上に住み、同じ花を見ていたわ。

なのに、地殻変動の後、謂れもなく地下へ追いやられた。

そしてあげくの果てにその場所は、VINOへエネルギーや必要物資を供給するファクトリーへと強制的にその姿を変えられてしまったのよ。

どうして彼らばかりがそんな目に会わなければならないの?!」

「それは・・・」

「VINOは理想郷だって、大人達は言うわ。
でも、その理想郷を根底で支えているのは彼らよ。」

「そうだな。
僕たちはきっと彼ら無しでは生きていけない。」

「私は自分を正当化するつもりはないわ。

でもね、彼らの事を私はもっとよく知りたいと思うし、
NANOと、このVINOを隔てているモノは何なのかを、はっきりとこの目で確かめたいのよ。」

ミルクはそう言って両手を握り締めた。

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