NOEL(ノエル)
「そうか。」
アルベルトはそう言った後暫く黙り込み、その目を真っ青な空に流れるひとひらの雲に向ける。
その雲は群れる事なく、まるで自分の行く道を知っているかのように視界の端に消えて行った。
「なぁミルク、君はさっきVINOの幹部候補生にはなれないと、言ったよな。」
アルベルトはミルクの薄翠色の瞳を覗き込みながら訊ねる。
「ええ、言ったわ。」
「君の体の中には紫紺の血が流れているのか?」
「そうよ。
今までバレなかったのが不思議なくらい。
母には絶対にケガをするなと言われていたわ。
見つかったら最後、私はもう此処にはいられないから。」
「おかしいよな。」
「え?」
「紫紺の血の流れる者が悪者だなんて、一体いつ、誰が決めたんだ。」
「アル?」