恋うつつ ~“好き”というどうしようもないキモチ~
「“ノッポ王子”って……ミュウト、センパイのこと知ってたんだァ♪」


「王子さまは有名人だから、このまま一子とホテルにしけこんで、写真週刊誌になんかパパラッチされるんじゃねぇぞ~♪」


「……って、サイアクっ。やっぱアンタ、イケメンじゃなかったらサイアクだよっ」


「よく言われる♪」


“ぷっ”と吹き出してしまうあたしと井川センパイ。

そして、ミュウトの背中が公園の人ごみの中に紛れて、完全に見えなくなってしまうまで、ふたり並んで見つめ続けた。



あたしにとって……そして井川センパイにとっても思いもよらない、もうひとつの“キセキの出逢い”が今日ココで起きた。

いや、起きたキセキはそれだけじゃない。

中学1年のときから3年間、ずっと好きだった……そして初恋の相手だった“ノッポ王子”の井川センパイが、あたしのことを「好き」って言ってくれた。

コレって、やっぱキセキだよね?

そして、ふたりが付き合うようになったのも、もうひとつの“キセキ”だと思う――――
< 171 / 205 >

この作品をシェア

pagetop