恋うつつ ~“好き”というどうしようもないキモチ~
ア……別に“甘ったるい声”っていっても、カップルがイチャイチャしてる声じゃないよ。
そんなの、15歳のあたしには刺激が強すぎるし、目のやり場に困るっての。
みゃあ……みゃあ……
歩いてるうちに声がだんだん大きくなってきて、あたしはすぐにその甘ったるい声の発信源を見つけることができた。
植え込みの前に置かれた“愛媛のみかん”と書かれたダンボール箱。
その前にしゃがみ込んでフタを開けると、中ではまるで生きてるぬいぐるみみたいな“こねこ”が3匹でみゃあ、みゃあ鳴いてた。
「かわいい~っ♪」
そう言い終わるか終わらないかのうちに、思わず茶トラの1匹を抱っこしてしまう。
ふわふわで、ふにゃふにゃの感触に、身も心もトロトロになって、気をしっかりもってないとキュン死しちゃいそうになる。
だって、あたしは“ねこたん”が大好きなんだも~んっ♪♪