君に…
でも、だからこそ。


「だいぶん頑張れるようになったなぁって思ってもらって安心して欲しかったんだよねぇ。」


少し熱目のぬるま湯に石鹸を入れて泡立てながら、小さい溜め息と一緒に言った僕に、君は器用に片眉を上げた表情を作って見せてどうしてって尋ねてくる。


「ん………せっかくの晴れ舞台だったからね。
今までいっぱい心配掛けた人達に、しっかりとした僕っていうのを見て欲しかったなぁって感じ、かな?」


うん。


たくさんの人にたくさんのご迷惑を掛けて、今の僕はなんとかここに居られるんだって事を僕はいつも忘れない。
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