秘密な時間
走っていると私を呼ぶ声が聞こえた
立ち止まり、後ろを振り返ると
今にも泣きそうな顔して走ってくる美貴
「深雪!」
追いつくなり私を抱きしめる
「大丈夫!あんなの嘘だよ!」
「美貴、でも…」
「うるさい!私見てないもん!中山さんの彼女なんて見てないもん!見たことないものは信じない!だから深雪も信じちゃ駄目!」
「美貴…」
「さっきのは嘘!ね!」
「美貴、ありがとう。でも、もう…」
「駄目!…駄目だよ…」
「美貴…」
私達は2人で泣いていた
2人とも泣き止んだ時には暗くなっていて、冷たい夜の風が私達の涙を乾かしてくれた
私達は目をあわせて、『何で美貴まで泣くの~?』って笑った