秘密な時間



「それだけじゃない。この前俺が風邪をひいた時、俺が咳をしたんだ。そしたら、それを見た中山さんが、“なんだ風邪か?学科終わったんだろ?早く帰って休め。早く直せよ”って言ってのど飴をくれた。どんだけいい男なんだよって感じだった」



「うん」




「あんな細かい所まで気を配ってくれて、他人を心から心配してくれる人、なかなかいね―よな。」




「……」




「敵わないってわかってたはずなのに…。…深雪に彼氏ができても暫くは俺に教えないでくれよ、…妬くから」




「わかった…」




「俺に妬かなくなるくらいいい子が見つかったら聞く」




「うん」



「いるのかな―、俺の事好きになってくれるいい子なんて…」




「いるよ。きっと見つかる…。だから、頑張ってよ」



「ありがとう…」




………………………






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