秘密な時間



「やっぱりシンシくんなのね~。楽しんできなさいよ」




「だから!」





「あッ!でもあんまり遅くなっちゃ駄目だからね!」





「わかってる~」




お母さんはあの日以来、中山さんをシンシくんと呼んでいる




出かける前の挨拶や、時間ぴったりに私を帰したことはお母さんを感動させたらしい





それで“シンシ”なんて呼んでるんだけど、そのまますぎて恥ずかしい




中山さんには恥ずかしくて言えないよ





ブーブーブー…




そんな事をしていたら、中山さんからメールが届いた




【着いたぞ~】




メールを呼んですぐ玄関へ走る




「あら、シンシくん来たの?」




今はお母さんを無視




急いで用意しておいた靴を履く






< 200 / 233 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop