秘密な時間
「やっぱりシンシくんなのね~。楽しんできなさいよ」
「だから!」
「あッ!でもあんまり遅くなっちゃ駄目だからね!」
「わかってる~」
お母さんはあの日以来、中山さんをシンシくんと呼んでいる
出かける前の挨拶や、時間ぴったりに私を帰したことはお母さんを感動させたらしい
それで“シンシ”なんて呼んでるんだけど、そのまますぎて恥ずかしい
中山さんには恥ずかしくて言えないよ
ブーブーブー…
そんな事をしていたら、中山さんからメールが届いた
【着いたぞ~】
メールを呼んですぐ玄関へ走る
「あら、シンシくん来たの?」
今はお母さんを無視
急いで用意しておいた靴を履く