秘密な時間



「お前のお母さんは俺が教官だって知らないだろ」



「うん、知らないよ」




「俺がお前の通っている自動車学校の教官だって知ったら、お母さんはあんなに笑えないよな…」



中山さんの悲しそうな顔が私の胸を締め付ける




私は運転している中山さんの手を握った



すると、中山さんの助手席側の手がハンドルを離れ、膝の上に降りてくる




中山さんはまた片手運転



「誰が何て言っても私の気持ちは変わらないから。中山さんを好きな気持ちは誰にも変えられない」




「ありがとう。大好きだよ深雪」




中山さんの手に力が入る



それに応えるように私も手に力を入れる




幸せな気持ちに包まれる






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