明日への扉
その日の帰り道。




夕陽も姿を消して、どんどん暗くなってきた。




今日はミーティングで、いつもより遅くなった。




人通りの少なくなる裏道を、早く抜けようと急いでると



グラッと自転車が大きく揺れた。



慌てて足をつき、転ぶのは免れたけど…




「えー… パンク?…」



前のタイヤが、ペッチャンコ。




どうしよ。


家まで、もう少しあるのに。








『キキーッ』




すぐ後ろで、自転車の停まる音。






えっ… また?…




この前、自転車で追い抜かれる時に足を触られるという、チカンにあったばかり。





側に停まった自転車は、動く気配がない。






やだ… 怖いよ…






でも、ちゃんと見なきゃ。




身体や手が震えてきたけど



気合いを入れて、振り返った。






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