明日への扉
「…あっ…」




自転車に乗って私を見てたのは…

篤史。




なんで…



篤史がいるわけ?



今まで通学途中では、一度も会った事ないのに。




何故か… 涙が溢れる。





「なっ、なに? どうした?!」



篤史が…焦ってるよ…





「…パンクした…」



「はっ? …パンクくらいで、泣くか?」



「ちがっ、う… 怖くて… あんたが、急に… 」




「怖い? 俺が? …訳わかんね。 行くぞ。」



「…どこよ…」



「その先曲がったとこに、自転車屋がある。」





篤史は自転車から降りて、私のパンク車も引っ張ってくれた。










「おー、篤史。どうした?」



店の奥から、白いツナギを着たオジさんが出てきた。



「パンクしたって。すぐ出来る?」



「おっ、篤史の彼女か? 可愛いーじゃん!」



「そんなんじゃねーよ!」




そんなに


思いっきり否定しなくても、いいでしょ。




本人にそこまでハッキリ言われると、傷つくなぁ…






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