明日への扉
「石川先生も、僕たちの先輩なんですか! あっ、今度試合があるんです、応援に来て下さい! じゃ、まだ練習あるんで、失礼します!」




帽子を取って頭を下げ、タカヒロくんは戻って行った。








『♪♪♪♪〜』



「あっ、ちょっとゴメン。」



私の携帯がまた鳴った。



また病院からで、指示を伝える。






「しっかり先生やってんなぁー。」



腰に手をあてて笑う、篤史。




「柴田くんだって、しっかり先生じゃん。」




2人で、ハハッと笑いあう。








「名前… まだ石川なんですか?」



ちょっと、おどけた口調で聞いてきた。




「はい、一度も変わることなく、石川です。」




「俺も… 一度も変わることなく、柴田です。」




「ぷっ! 男の人は、結婚しても変わんないでしょ?」



「だね。はははっ!」






高校卒業から全く会う事もなく、それぞれの道を歩いてきた私たち。




17年ぶりに再会して、こんなに素直に話せるのは


やはり大人になったという事だろうか。








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