明日への扉
「希!これから、みんなで飲もうって! 山下も誘ってさっ。」




美穂の弾んだ声が、私を引き戻す。




「えっ… 山下もって…」




「いいのよ、昔のことだし。同級生久々の再会って事でさ、楽しく飲もうよ!」



戸惑う私に、美穂は明るく背中を叩く。






高校を卒業した後、美穂と山下は付き合いだした。




でも徐々にすれ違い、一年ちょっとで別れてしまった。




元カレに会うのって、微妙じゃないのかな。






「いいんじゃねーの、あいつらが良ければ。嫌いで別れた訳じゃないみたいだしさ。」




「う…ん。」



篤史の言葉に、何となく頷く。






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