【実話】星になったキミへ

当て付け婚

目が覚めると、私はシャワーを浴びた。



血を荒い流す為に。



健のコトは、もう考える力がなかった。



考えないようにしていた。



これ以上考えると気が狂うだろうから………。



シャワーを浴び終えると、飲み物を飲もうと、キッチンに行く。



すると、そこにはお母さんとレイの姿があった。



レイが来るコトは、ある程度予想はしていたので、そんなに驚かなかった。



「やぁ、姫。」



「レイ。何でココにいるの??」


「姫が電話を取ってくれないから、逢いに来たんだ。」



「そう…。」



レイは母に、



「じゃぁ、お母さん。姫と話して来ます。」



母は、



「よろしくね。」



と、心配そうな表情。



部屋に上がるとレイは、早速カミソリを見つけた。


昨日、そのまま放置してたから……。



゙どうでもいいや″



この時の私は、全てがどうでもよかった。



すると、レイは、



「姫!何したの!?また、切ったの!?」



「うん。」



私は、否定しなかった。


「どーして!?」



「別に、死のうとしたんじゃないよ。」



レイは優しく私を抱きしめると、



「もう、こんなコトはしないと誓ってくれ。」



「………レイ。レイといたら、幸せになれるのかな…??」



「なれるゃ!誓う!!姫を幸せにするよ!」



「レイ……。」



「だから、結婚しよう!そして、三人で幸せな家庭を築いて行こう!!」



私は…………



「うん。」



レイのプロポーズを受諾していた。



レイのコトを愛してる……とかじゃなく、健への当て付けだった。



゙健なんか、私がいなくなってから後悔すればいいんだ。″



卑怯な駆け引きだった。


そのせいで、レイを傷つける…とか、考えるコトもしなかった。
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