蜜愛

そして、彼の場所とりの手際良さに驚き、

慣れた手つきで火をおこし、

日が沈む頃には私が切った食材をただ網の上に並べるだけで、

あとは良い匂いがしてきた事に。


私が今まで会った事もない旦那をみた気がした。


『ねえ、ママ!お友達ができちゃった!』

蜜柑は、腕にも足にも湿った砂をたくさんつけたカラダで私に抱きついて言った。

『うん、そう。よかったね、待って、ママのお洋服汚れちゃう』


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