蜜愛

――そして。


僕は他人の情事を

生まれて初めて

目の前で見た。


僕が見ているという事を知らないでしているんだ……

それだけで、

僕の罪悪感と興味が入り乱れて、


年甲斐もなく。

見てみぬフリができなかった。


なぜなら。


彼らも、僕と

さほど変わらない年齢のように見える。

女の方の体型でわかった。

暗闇に浮かぶシルエットが、

少しだけ垂れた胸と、少しだけ出た腹。

多分、一人くらい子供を産んでいるかも。


昔みたイチコのカラダとは違う。

もう少しふくよかで、それでいて醜さよりも包容力を感じる体つきだ。


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