蜜愛
父子家庭を必要以上に詮索したがる奴らが多くて、実際にはそんなに友達もつくらなかったから。


いつも誰とも約束なんて、ない。


そんな時いつもこの河原に来ては時間を潰す。

異性に興味がないわけではなかったけど、

親しくなったら甘えてしまいそうな自分が怖くて、なかなか彼女を作るまでにいたらなかった。

だから、肩を並べて語らう相手もなく只、夕陽が沈む方向にまっすぐ向かい合って腰かけ、一人で小学生の草野球を見たりした。


そして、それは今日も同じになる。





……はずだった。
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