蜜愛
日が暮れていく。

今日が、終わりゆく。

これから、どうしようかな。

僕はぼんやりと

草野球のボールの流れを目で追い


キラキラと光を反射する川の流れ


橋を通過する色とりどりの車の流れ


橙色の雲の流れ


そして一羽のカラスが、かぁかぁと寂しく視界を横切り


望んで失った自分の帰る場所を思い、もう一度河原に目線を下ろした。



ーーすると。

さっきまでは誰もいなかった堤防の段差に腰かける一人の姿があった。

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