禁忌恋愛~兄×妹~
大きな荷物はお兄ちゃんが持って、あたし達は駅へ急いだ。
早く、早く…
この街から離れたい。
ヴィーヴィー!!
ビク!
電車に乗り、席に着いた時、バイブにしていた携帯が震えた。
「お母さ…ん」
「母さん、か。気づくの早いな」
お兄ちゃんが眉をひそめてあたしの手から携帯を奪った。
「もしもし」
『と、友輝?…海は?…それより、誰が書いたの?あんな手紙!』
「…さぁ、な。それより、なんのようだよ、今更」
『………友輝、まさか…』
「母さんはもう気づいてるだろ?」
『……今すぐ帰って来なさい!!』
「無理だよ」
お兄ちゃんがあたしのおでこにキスを落とした。
「守りたいモノがあるから」
『友輝!!、、お母さんは認めないわよ!!』
「認めて欲しいだなんて、思えねぇよ。だから、だからこそ、俺達は罪を背負って生きていく。ごめんな。母さん」
『友っ』…ブチ。
お兄ちゃんはあたしに携帯を渡すと「大丈夫だよ」とあたしのおでこに耳に頬にキスを落としていった。
不安に、罪悪感に、押し潰されそうなあたしの心が少しだけ緩んだ。