愛すべき君へ
キーンコーンカーンコーン
「次移動教室だよ!」
愁悟は俺を覗きこんで
言ってきた。
「うん」
それでゆっくりと
重い足取りを
移動教室へと運んだ。
「叶ってさ...
クールだよな」
愁悟が突然言い出した。
「そうでもねえよ?」
俺はクスと笑って
愁悟を見た。
「クールだよ~!!」
そう言って愁悟は
窓の外を見た。
前から1人の
女が歩いてくる。
「...っ」
なぜかとりとめのない感情が
僕に襲いかかってきた。
「なに...?」
トクントクンと
はねる心臓...
綺麗というよりも
可愛いという言葉が
似合う女がいた。
真璃南―?..