愛すべき君へ


キーンコーンカーンコーン

「次移動教室だよ!」

愁悟は俺を覗きこんで
言ってきた。

「うん」

それでゆっくりと
重い足取りを
移動教室へと運んだ。

「叶ってさ...
クールだよな」

愁悟が突然言い出した。

「そうでもねえよ?」

俺はクスと笑って
愁悟を見た。

「クールだよ~!!」

そう言って愁悟は
窓の外を見た。

前から1人の
女が歩いてくる。

「...っ」

なぜかとりとめのない感情が
僕に襲いかかってきた。

「なに...?」

トクントクンと
はねる心臓...

綺麗というよりも
可愛いという言葉が
似合う女がいた。

真璃南―?..


< 13 / 54 >

この作品をシェア

pagetop