あなたがいてくれた‐いじめ‐
盗み聞きされてた。

いつから聞いていたのだろう。

考えるとゾッとした。

どんな顔で聞いていたのか。



「盗み聞きだなんて、趣味悪いねぇ。あ、もともと悪いか。」

「ふんっ。あんたは黙ってなよ。私は優衣ちゃんに話があるの。」



「私・・・?」


思わず口から漏れてしまった。

何の話なのか全く見当がつかなかった。

川瀬を見ると、なんとも楽しそうなのだろう。

こんなやつに、私は負かされない。



「いいよ。」






「優衣?」


利世の不安そうな声が聞こえた。


「利世は戻ってて。話するから。」


「さすが優衣ちゃんー!分かってんじゃん」


「優衣・・・いいの?」


「うん。」


「危なかったら大声で呼びなよ。」


耳のそばで言った。

分かった、とうなづいた。




静かに利世は降りていった。


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