√番外編作品集
「ほら探しに行くぞ、飯島」
「ちょ、ちょっと……?!」
敦子を引きずるり、連れ出すと雨の中へ飛び出した。
「霧島さん、山岡さんとお願いします」
残された霧島と千恵は、お互いゆっくりと顔を合わせる。
「この前みたいに……変なことしないで下さいね、霧島さん」
「大丈夫。今君を脅かして楽しめるような気持ちの余裕はこれっぽっちもないから」
千恵は、少さく笑うとポケットからハンカチを取り出して、霧島の頬へ差し出した。
「敦子のこと怒らないで下さいね」
「怒らないよ、むしろ目が覚めたかな?」
「痛かったら、痛いって言ってくれていいですよ……」
千恵は優しく笑って瞳を伏せた。
殴られた頬が、赤みを刺していて今さらジンジンと痛み出していた。
「いや、でも目が覚めたよ。君は笑うかもしれないけれど、僕はどこかで悲劇のヒロインのような感覚だった。悲しいのも苦しいのも自分だけのようなそんな感覚だった」
商店街の方へ消えていく俊彦と敦子の影を霧島は遠い目で見送りながら続ける。
「彼女と僕はちょっと似てるかもね」
霧島は苦笑してから千恵を見つめた。
「君はその捨て犬みたいな目で見てくるところがちょっとだけ、七海に似てる」
千恵はきょとんとしてから、「捨て犬じゃないです!」と霧島の腕をつねる。
「痛い」
霧島は素直にそう答えてから、千恵と一緒に雨の中へ飛び出した。
「ちょ、ちょっと……?!」
敦子を引きずるり、連れ出すと雨の中へ飛び出した。
「霧島さん、山岡さんとお願いします」
残された霧島と千恵は、お互いゆっくりと顔を合わせる。
「この前みたいに……変なことしないで下さいね、霧島さん」
「大丈夫。今君を脅かして楽しめるような気持ちの余裕はこれっぽっちもないから」
千恵は、少さく笑うとポケットからハンカチを取り出して、霧島の頬へ差し出した。
「敦子のこと怒らないで下さいね」
「怒らないよ、むしろ目が覚めたかな?」
「痛かったら、痛いって言ってくれていいですよ……」
千恵は優しく笑って瞳を伏せた。
殴られた頬が、赤みを刺していて今さらジンジンと痛み出していた。
「いや、でも目が覚めたよ。君は笑うかもしれないけれど、僕はどこかで悲劇のヒロインのような感覚だった。悲しいのも苦しいのも自分だけのようなそんな感覚だった」
商店街の方へ消えていく俊彦と敦子の影を霧島は遠い目で見送りながら続ける。
「彼女と僕はちょっと似てるかもね」
霧島は苦笑してから千恵を見つめた。
「君はその捨て犬みたいな目で見てくるところがちょっとだけ、七海に似てる」
千恵はきょとんとしてから、「捨て犬じゃないです!」と霧島の腕をつねる。
「痛い」
霧島は素直にそう答えてから、千恵と一緒に雨の中へ飛び出した。