√番外編作品集
秋が訪れて文化祭シーズンになると、俊彦は二条西高校の文化祭に呼ばれた。

公立の二条西高校は私立の立幸館高校と違ってチケット制ではなく出入り自由だった。

誘ってきた敦子と合流して、手渡された焼きそばを食べながら、潤は模擬飲食店をやっていると教えられた。

不服そうだったので何が嫌なのかと聞いてみると、彼女はポニーテールにした髪を揺らして彼を見ると眉間にしわを寄せて

「模擬ホストなんだもん」

そう口の先を尖らせて言ってきた。

その仕草がやけにかわいらしくて思わず苦笑してしまうと、敦子は不服そうに目を細めた。

「今日暑いから繁盛してるだろうし、嫌だな」

「黒沢が愛想よく飲み物配ってんのが嫌なの?」

「なんかとにかく嫌なんです。キャラじゃないし嫌じゃないですか。複雑なんです。クラス違うと嫌ですよねー。ほりぐっちは渋谷さんとクラス違って学校イベントの時嫌だった時ないの?」

中庭はバルーンで飾り付けされていて、あちらこちらにコピーで量産されたチラシが貼り付けられていた。

敦子が座ると、その隣について俊彦は笑った。

「んー……そーだな、文化祭とか演奏会あったし俺は景と同じだったから別々でなんかやってるって感覚はあまりなかったよ」

「そっか。部活同じだったんだっけ。ほりぐっち何やってんの?」

「俺、トランペット。景はフルートだったよ」


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