√番外編作品集
それから2日後

文化祭への準備も本格化して、午前は授業、午後は準備の特別授業割になる。

廊下と教室の境がなくなり準備に人が溢れる中で敦ちゃんがやってきた。

「ええ! そんなホストやるなんて、マジで通るの? 文化祭実行委員会に女がいるでしょ!」

敦ちゃんの奇声が耳に痛い。

ジャージ姿の敦ちゃんは

体操服を肩までまくり上げてまるでガテン系の女だった。

「潤は裏方ね、絶対裏方だから」

いつもは降ろしている髪をポニーテールにしていて、敦ちゃんが食いつくたびに揺れた。

「そんな訳ないじゃん。黒沢は~世界の黒沢ですからぁ」

「色恋は河田君1人でやっててよ」

敦ちゃんは、黒沢の机の前にかがみ込むとじっと目を見つめた。

「こんな訳の分からないこと、やらないよね?」

敦ちゃんは単純に、黒沢が他の女に愛想振りまくとかそういうのが嫌なんだと思うが。

「特進はいつも参加しないからって、安心してたのに」

「なんだよ、安心って」

黒沢はもっともな反応をして、敦ちゃんを見下ろした。

山岡ちゃんもそれに準じる。

「楽しそうだよ、シャンパンタワーつくったり、飲み物作ったり敦子も来てね。」

山岡ちゃんの言葉に、敦ちゃんは困った顔をする。

「それはいいけど見たいけど。潤が接客だなんて絶対やだ!」

「じゃー敦ちゃんが指名してずっと離さなきゃいいじゃん。わー売り上げ貢献あ・り・が…」

俺の言葉が終わる前に、敦ちゃんから裏拳が飛ぶ。

かわしたけど、目からは怒りがほとばしっていた。

「こういう時、クラス違うとほんとやだ。千恵どうにかしてよ、潤が~」

「黒沢、シャンパンタワーのグラス見に行こうぜー」

敦ちゃんの攻防が続きそうだったので、黒沢をひっこぬく。
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