√番外編作品集
まさか……ンなはずはない。
落ち着け、自分。
「テープ足りないな。買ってくる」
頭冷やそう。
岸三田にそう言ってクラスを出ると、テープのことなんか放置して1人ふらふらと歩き始めた。
山岡ちゃんが黒沢を好きなことくらい
前から知ってるし、別にいままで普通にしてたのに
俺、急にどうかしちゃったのか? なんでそんなとこに考え飛躍すんの。
2人の幸せ願ってたんじゃなかったんだっけ?
「康平? あ、康平じゃん! 何してんのー」
声が掛かって視線を投げると他校の女子3人が手を振ってくる。
いつもの癖で笑って手を振りかえすと3人は喜んで飛びついてきた。
ヒマならカラオケ行こうよ
文化祭のチケットちょうだい
まるで蜜にたかる蝶みたいに俺にまとわりついた。
「あ、マユ、リナ、ケイコ、ちょっと用があっからまたな」
思い出したようにもう一度振り返ると、俺は3人にクラスの出店チラシを押しつけて、それから坂を走り下りた。