狂者の正しい愛し方


―――


物音がした。
二階から、何かが転げ落ちる音。

その正体が何なのかは、廊下を覗けばすぐに分かった。

晴姫の、母親だ。


頭を強打したのだろう。

俺のほうから見える頭部からは、赤い液体がつつ…と流れ出ている。


おまけに、目を見開いたまま、ピクリとも動かない。



「死んだか。」



叩き落した蚊に言うように、俺は呟いた。


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