言えない恋
発覚…―
― 壮介 ―
芽衣がいなくなる…
このまま俺の前からいなくなりそうで怖くなった
気付いたら芽衣の後を追うように部屋を飛び出していた
エレベーターの閉まる音がして、慌てて近付くと中には芽衣が乗っていた
閉まったドアを力強く叩く
行くな…
行かないでくれ…
それでも芽衣の姿は一瞬で見えなくなってしまった
なんで泣いてんだよ…
なんで芽衣が泣くんだよ
一瞬で見えた芽衣の顔は思いっきり泣いていた
本当に俺から離れていってしまう…―
俺の胸は激しく鼓動をうった
また明日には笑って来てくれるか…?
また次には俺のところに………
ドクドクいう心臓
とてつもなく危機感を感じた
……俺が白黒はっきりつければ、芽衣は帰ってくるのか
どうしても離したくない存在
初めてここまで人を想った
今…改めて
芽衣を失いたくない
芽衣とずっと一緒にいたい
芽衣しか愛せない
確信した。
「………」
俺は芽衣を追っかけず、部屋に戻り携帯を手に取った
芽衣…もう泣かさねぇよ
俺がもう泣かさねぇ
「もしもし俺だけど、話があるんだ。会えないかな」
.