アルタイル*キミと見上げた空【完】
オトナ・・・コドモ
「え?」
かすれた声で聞く私の前で、修ちゃんは
「あ~~~っ」
と頭をかいた。
そんな修ちゃんを見るのも初めてで、私はそれ以上声が出なかった。
「・・・俺は、ずっと不安だよ。汐がどっか行っちゃうんじゃないか、って。年が離れてる俺よりも、同い年の奴の方がずっと合ってるんじゃないか、っていつも考えてる」
修ちゃん・・・。
「けど、なんか年上のかっこいいところ見せたくてさ、余裕のあるところ見せたくてさ」
「修ちゃん・・・」
「でも、もう限界かも。お前が他の男といるとこみて、余裕なんてぶっ飛んだし」
そう言って修ちゃんは自嘲気味に少し笑った。
「かっこ悪いだろ?」
ううん!
声にならなくて、でも思いっきり首を横に降る。
なんか、熱いものが鼻の奥に押しあがってくる。
熱くて、痛い。