アルタイル*キミと見上げた空【完】
凱っ!
たまらず走り出す。
もう、後悔はいやだ。
伝えられなくて、会えなくて・・・
あの、初恋の結末を・・・もう二度と繰り返したくないよ。
凱は驚いたような表情をしたけど、すぐに切ない顔のまま、
今度は私を受け止めてくれた彼の腕に、私はすっかり甘えてしまう。
「凱・・・凱・・・・。私好きだよ。やっぱり凱のことが好きなの、だから、サオリさんがいてもいい。私があきらめるまで勝手に好きでいていい?」
「ちょ、待て」
「待たないよ。だって、私コドモだもん。だから・・・・だから、好きなものをあきらめるなんてやっぱり出来ない」
「だから、待てって。てか・・・黙れ・・・」
「がい・・・っ」
ふいにふさがれた唇。
凱の頭の上に星がまた瞬いたのが見えた。