アルタイル*キミと見上げた空【完】
「多分・・・凱もその中に入ってる予定だ」
あぁ・・・。
懐かしい名前が4年ぶりに私の目の前に現れる。
思わず目を閉じた。
凱。
あの夏の思い出が、かすかに胸を揺らしていく。
でも・・・・・、
「凱が、帰ってくるんだね。うん・・・・・・だからか。さっき凛達の様子がおかしかったのって」
「・・・・・・・・」
「修ちゃん?」
「ん?あぁ?」
私の方を向いた修ちゃんに笑ってみせる。
「修ちゃん。凱とはもうずっと前に終わってるんだよ?昔の私は今の私じゃない」
「汐・・・・」
「今私が好きなのは・・・・修ちゃんだけだから・・・」
そう言うと共に、レバーを握ってた修ちゃんの腕が伸びてきて私の肩を引き寄せたかと思うと、ふさがる視界。
と同時に、唇にやわらかい感触が当たる。
反射的に閉じた目を開けると、私の右手の上に左手を重ねて・・・少し赤い修ちゃんの横顔。
修ちゃん、好きだよ。
それは本当。
この4年間。修ちゃんの隣にいるって決めた私を、
きっとぎこちないところも、あっただろうに、
いつも優しく逆に私を見守ってくれてた。
何も聞かずに、ただ優しく。
癒されたのは・・・私の方かも知れない。
だから、私は修ちゃんの隣にいるよ。