アルタイル*キミと見上げた空【完】

「私には・・・何もなくなっちゃった」


「それは、あんな・・・記事が出たからだろ?俺、絶対にゆるさねぇし・・・あんな記事書いた奴」


ううん。


「違うよ」


「・・・・・汐?」



「あの記事は、関係ない」


関係、ないの。


凱は、ゆっくり話す私の話を、ただ黙って聞いてくれてた。


「私・・・・この4年間。自分が何をしたいのかなんて考えてなかったんだな、って、最近ようやく気づいたの。就職だって、自分の夢、なんて全然なくて、でもそれが当たり前のことなのかな、って少し思ってた」



窓の外から小さく虫の声が聞こえる。


あぁ、もう秋だ。


私は目を閉じて、息を吐いた。


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