アルタイル*キミと見上げた空【完】

「あり・・・・がと・・・・・・」


なんだかわからないけど、急にこみ上げてくる涙が一気に嗚咽に変わり、向こうを向いてシーツをかぶった。


そんな私の頭をぽんぽんと叩いて、凱が優しくつぶやいた。


「あん時のお前のご飯、すげー美味かったよ。だから今日俺も頑張ってみたんだけど・・・」


あ、さっきのおかゆ・・・・


「・・・・・焦げすぎだよ・・・」


「は?・・・・お前なぁ・・・」


「うそ・・・・・本当にすごく、美味しかった・・・・凱、ありがとう・・・ありがとうね・・・」


「ばーか。当たり前だ、つーの・・・・」



頭にのせられた凱の手がとても大きくて、とても優しくて、心地が良くて、私はいつの間にか、深い眠りについていた。





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