アルタイル*キミと見上げた空【完】
saki
次に目を覚ました時には、頭のふらつきや、熱っぽさが消えていて、と、同時にもうとっくに朝を迎えていることにカーテンの明るさでわかった。



「起きた?」


「起きた…」


凱はうーん、と手を伸ばしてから大きく息をつく。



「俺もよく寝た~~!」


そうして、私のおでこに手をあててにこっと笑った。



「熱、下がったみたいだな」


うん。


もう体の重さも、頭の痛みもうそのように治まってる。


「凱のおかゆのおかげだね」


「ハハ。ちょっと焦げてたとこがミソだろ?」


「って…今何時?」


「さぁ」


「さぁ、って……」


何にも気にとめない様子で、凱がベッドから降りてリビングに向かう背中に、



きれいな背中……なんて。


ばかっ、今そんな所じゃないのに!


……まだ、熱があるのかな。



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