アルタイル*キミと見上げた空【完】
「サキちゃん……なんて?」
「あぁ……あいつ、いつもあぁだからな」
そう言う凱は何事もないように、コップに水を注いだ。
花火大会の時…キスしてたでしょ?
サキちゃんとは、どんな関係なの?
でも、自分の気持ちに気付いた今、余計に聞くのが怖い。
「汐?」
怖いよ。
「凱、ありがとう。私とりあえず帰るね」
「おい!汐」
腕を引っ張られると、あっけなく私の体は凱の胸へとおさまってしまう。
「どうした?」
怖くてたまらない。
「汐?なんで……泣いてんの?」
え?
気がつけば、目から涙があふれてるのがわかった。
「サキちゃんと……付き合ってるの?」
ようやく言った自分の言葉に、しまったという後悔と、不安が一緒に押し寄せてくる。