アルタイル*キミと見上げた空【完】

コートの中に先に出てきたのは日本チーム。


キャー、という歓声の中、ベンチに座った修ちゃんと一瞬目が合ったように思ったけどそれはすぐにそらされた。


代わりに・・・


「汐!なにやってんだよ。早くこっちに降りて来い!」


って・・・・。


叫ぶのはトモだ。


ちょ、ちょっと待って。


周りの人がたくさんいるんだから。


しかも今日は本番なのに。


「誰?あの子・・・・」


ほら~~・・・


せっかく座ることの出来た席が一気にその居場所をなくしていく。



こいこい、と手招きしてるトモに軽く手を振ってから、私は席を立って、1階に下りる階段の踊り場で壁に手をついた。


ギリギリに行けばいいか・・・。


それまで、もう少し・・・あと少し。


< 610 / 640 >

この作品をシェア

pagetop