アルタイル*キミと見上げた空【完】
「汐さんはっ・・・・・!」
え?
振り向くと、サキちゃんが、目に涙をためて唇をかんでいた。
「行こう、汐」
修ちゃんに肩をおされる。
その時、再びサキちゃんの声が私をつかまえる。
「汐さんは、何も知らないから・・・っ!」
知らない・・・?
なんの、こと?
「サキ、いいかげんにしろ。ほら、汐。おいで」
あ。
腕をつかまれて、修ちゃんにひっぱられる。
「修ちゃん、サキちゃんが・・・」
「そんなこと、どうでもいい。今は・・・あいつ・・・凱のことだけ考えてろ」
「う・・・・うん」
そして、修ちゃんが扉を開いた。