アルタイル*キミと見上げた空【完】
扉を開くと、ちょうど看護士さんが病室から出てくるところとぶつかりそうになった。
「すみません・・・・今いいですか?」
修ちゃんの言葉に、その看護士さんは申し訳ないんですが・・・と前置きをしてから、
「今はご家族以外の方の面会を遠慮してもらっています」
と早口で言った。
ど、どうしよう・・・・。
会えないの?
「それなら・・・・僕はそいつの叔父に頼まれてやってきました。今、どうしても手が離せない事情があるので・・・」
監督・・・・。
今頃、きっとすごく心配しながら試合をしてる。
修ちゃんの言葉を聞いて、看護士さんは、ちらっと私と修ちゃんを見比べてから、修ちゃんを見て
「それなら・・・・あなただけなら・・・・」
と奥を手で指した。
「いやっ。彼女も一緒に・・・」
そういう修ちゃんに、看護士さんは何も言わずに、
「外でお待ち下さい」
そう言って、目の前で扉を閉めた。
凱・・・・。
会いたいよ。
会いたい・・・。