最後のラブレター
――ブーン
――ブーン

バイクの音が響く室内

ヤバい…
緊張する

窓の外の沢山の教習生。


みんなバイクを
上手に乗りこなしている、


緊張すると
すぐ喋りたくなる
私の癖。


「もうバイク慣れてますか?」


たまたま隣に居る人に
話し掛けてみた


「慣れてるも何も…教習所に申し込みしたの昨日なんです!」


私よりちょっとだけ
年上位に見える女の人。


「あっ!私もですよ!」

教習所には
知り合いが居なかったから
ちょっと親近感を覚えた

「えっ同じやん!!」

目を大きくしてその女の人も喜んでくれた。



――12月が誕生日の私。
16歳になってすぐバイクの免許を採るのが夢だったんだ。

それまでに
お金を貯めて貯めて…
念願通り教習所に入る事が出来た

お兄ちゃん2人がライダーで
ずっと憧れていたから


「みふゆ!学校まで送ってやるから後ろ乗れ!」

小学校の時から今まで
遅刻しそうになると
歳の離れたお兄ちゃん達は
よくそう言って送ってくれた


お父さんの居ない私達


私にはお兄ちゃん達が
お父さんみたいな存在で。
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