最後のﾗﾌﾞﾚﾀｰ

教習所もちょっと
離れてるんだけど
お兄ちゃん達が
通ってた所を選んだ。


お兄ちゃん達みたいに
心地良い運転が出来る様になりたい

そう思ったから。





私がたまたま話し掛けた
その年上の女の人は
自分の事を

｢安永ますみです｣

と紹介してくれた。

長い髪が綺麗な25歳のますみさん。
ちょっと喋っただけで
ずいぶん仲良くなれた。


―――ｷｰﾝｺｰﾝｶｰﾝｺｰﾝ…

ますみさんと話していたら
知らぬ間に時間が過ぎて
ﾊﾞｲｸの教習のﾁｬｲﾑが鳴った


その途端
愛想の無い指導員が
いっぱい私達の前に並んだ



……うわ…怖っっ


｢｢お願いしまーす｣｣

みんなの声が
静まった待合室に響く

……えっと。
どうしたら良いんだろ…



｢蓮見さーん!｣

戸惑っていると
1人の指導員が
私の名前を呼んだ


｢はい!｣

……え?
……かっこいい。


私の名前を呼んだ指導員。

若く見えるけど
…23歳?くらいかな?

25歳よりは下だよね…?

ﾎﾞｰｯとしていると
その指導員は近づいてきた

｢今日蓮見さんの担当になった笹原です!｣


｢よろしくお願いします!｣


不思議と
“笹原先生”の笑顔が
ｽｰｯと緊張を取り除いてくれたんだ。