今日も、恋する電車。

そう思うと電車に乗り合わせる人たちとは、なんだか不思議な縁だなと感じるようになった。結にそのことをいうと、ロマンチストねと笑われた。

確かにそうかもしれない。
それでも、電車の中で偶然会った保との縁は、大事にしたいなと茜は感じていた。たとえ、保の想いが違うところに向いているとしても。


茜は保の居ない車内をじっとみつめる。たくさんあふれる人。

その中で保がいない。それだけなのに、茜は寂しくてたまらなかった。

茜はゆれる壁に身を任せ、目を閉じた。電車の壁はひやりと冷たい。

部活の疲労で熱をおびていた茜のおでこは、徐々に冷たくなっていった。
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