今日も、恋する電車。

その日の夜、茜は夢をみた。

誰もいないグラウンドを茜はただただ、懸命に走り続けていた。

元々、そんなに走ることは好きではなかった。小学校の頃、初めて参加したマラソン大会で優勝したのがきっかけで陸上を始めた。    

正直、以前はあまり熱心に部活に打ち込んでいなかったが、高校からはわりとまじめに取り組んでいる。


きっかけは不純だ。

保に会いたいが為に、早朝練習に毎日自主トレも含めて参加するうちに、タイムが縮まったのである。
昔は惰性で陸上を続けていたが、今では、茜は走る事の楽しさを覚えはじめていた。

そして、今度の大会では一年生の中で、唯一千メートル走の選手に選ばれている。

元々の能力と、部活による、積み重ねで力が開花したが、茜にはひとつ欠点があった。
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