今日も、恋する電車。
陸上の選手には色々なタイプがいるが、茜はわりと自分のペースを守りながら走るタイプである。

限界を知らない高校生の選手達は、慣れないうちはペースをあげることに夢中になり、リズムを崩すことが多い。
が、茜は自分のペースを保ちながら徐々にペースをあげていく為、コンスタントな成績を残している。

ただその走り方にも弱点があり、最初に差をあけられると追い込みが間に合わず、余力をのこしたままゴールすることも多い。

だが、それなりに成績を残す茜の堅実な走り方に、同輩と先輩に僻まれている。いつも涼しい顔で走る茜に、実力があるくせに手を抜いていると、陰口を叩かれることもあった。

顧問はそんな茜を心配し、若いのだから失敗してもいいからもっと自分の限界に挑戦しろ、と叱責することもしばしあった。
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