今日も、恋する電車。
ぎりぎり校則内の茜の精一杯のおしゃれ姿に、保が思わず見とれていると、いつものアナウンスが聞こえてきた。

『次は二ノ宮、二ノ宮です』

茜は、じっと乗車口をみつめる。白いワンピース姿の少女が、乗車してきた。

「あっ」

茜は思わず、声をあげた。

いつも長かった少女の髪が、襟足で短く切り揃えられている。

そして、白い左手の薬指に銀色に光る、指輪があった。

少女はいとおしそうにきらきらと鈍くひかる、銀色の指輪をじっと見つめていた。

髪を切った少女は、以前の大人びた表情がほどけ、リラックスし、満ち足りた表情をしていた。

「告白する前に、失恋かー」



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