7年目の浮気
「正直、君は可愛いよ。
男なら誰でもしてみたいだろうな!
だけど無理だ!俺は浮気はしない!」


芳雄はきっぱりと言い放つ。


「どうしてですか?」

「どうしてって、彼女と別れる気は、」

「別れてなんて、言ってないです。」


どういうことだ?

頭が混乱する。


なんで俺は地下鉄駅のホームでこんな意味不明な女に絡まれなきゃならないんだ?


「ただ、してみないですか?って言ってるんです。わたしは久保田さんの彼女を知らないし、誰にも言いません。
ばれないよ。」

「…ばれなきゃいいってもんじゃ…。」


あれ。
ばれなきゃいいのかな。

今日だけ香織を抱いたって、確かにばれないだろう。

…何考えてんだ…俺。


「…久保田さん。」
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