7年目の浮気
茉莉花は目を閉じた。


芳雄を一目見た時から、好きだった。


彼は人気があったし、地味な自分がどうしたら気にいってもらえるかと、いつも彼を見ていた。

ある時、彼のきちんと閉まっていなかったカバンの中身がこぼれて、その中にCDがあったのだ。


「く、久保田くんてオアシス、好きなの?」

「ああ、うん。」

「いいよね。わたしも好き。」

「本当?このアルバム良いよ。聴いたことある?」

…。


あれからもう7年目。

今も、彼への気持ちは変わらない。

何ひとつとして。
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