7年目の浮気
付き合う以前は、美人で背も高い茉莉花に気後れすら感じたこともあったが、同じアーティストの音楽が好きということを知ってから、ふたりの仲は急速に深くなっていった。

知れば、趣味が尽く似ていた。

いや、あまり興味のない話題だって、茉莉花が話せば素晴らしいものに変わり、好きになっていったのだ。


「本日のコーヒーになります。」


店員が運んできたコーヒーに、早速手をつける。

このコーヒーにしてもそう。

飲めなかったコーヒーが、茉莉花の飲んでいるのを真似ているうち、好きになっていったのだ。


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