7年目の浮気
あれは学生の時だった。

まだ茉莉花と付き合い始めたばかりの頃、コーヒー好きの茉莉花にコーヒーが飲めないなんて知られたくなくて、コーヒー専門店で知っている名前を注文した。

すると、普通のコーヒーの4分の1ほどのサイズで出てきて、どうしたものか、どのように飲めば良いのか、困惑したものだ。


「エスプレッソ、好きなの?」

茉莉花が聞く。


「う・・・ん。」


飲んで目を白黒させる。

苦い。


「ちょっと待っててね、」


茉莉花が席を立つ。

何かを注文しに行ったようだ。
< 3 / 163 >

この作品をシェア

pagetop